第82章 前半〜あとがき〜
色々楽しみな夏休み。
六月最後の日。
「おはよう〜〜っ!」
「今日テスト返ってくるの、忘れてねえか?やけに元気だな」
私は笑顔で乗り切れるかもしれない!そう政宗に真剣な顔をして、ビシッと決めてみる。
「……そんな訳ないし」
「成績トップの家康には、私の気持ちなんかわからないよ!」
ボソッと隣で呟く家康。
プンッ!と私はそっぽを向いて、前を歩く背中に向かって走る。
「三成君!おはよう!」
「おはようございます。今日も、朝から花の笑顔。ご馳走さまです」
こちらこそ、エンジェルスマイル!頂きました!冗談を言いながら、廊下を歩く。
「最近、先輩の笑顔だけでは足りなくて。他も食べてみたいのですが……」
「え?食べる?どこを?」
「三成。それ以上、近づいたら……夏休み中、入院生活になるけど?」
家康に後ろから引っ張られて、政宗に頭を撫でられて、前から三成君に顎を持ち上げられる。
(歩けないよ〜〜っ!)
三人と三角関係。
夏の星空『夏の大三角』が、
幕を開けようとしていた。