第71章 「白詰草の花嫁(1)光秀様編」
白詰草が入った瓶の水を替えて、
そっと窓辺に置く。
ポツポツと窓に当たる雨粒を見ていると、玄関の前に一台の車が止まるのが見えた。
(そっか!雨降りの時だけ、お願いしたんだった!)
足の捻挫が治るまで送迎を申し出てくれた、明智先生。何度お断りしても、先生に押し切られてしまい……。雨の日だけお言葉に甘えることに。
(先生は何も悪くないのに)
自分の名前を使われて、きっと不快な思いをした筈。なのに、逆に私が呼び出された事に責任を感じてくれてるみたいで。
申し訳ない
気持ちでいっぱいになる。