第294章 〜ending〜卒業式〜
バレンタイン、ホワイトデー。
冬のイベントを一つずつ終えて、三月。
副部長と秀吉先輩の卒業式。
部の皆んなで色紙を書いて渡した。
沢山泣いて……
沢山写真を撮って……
沢山笑った。
私の誕生日は皆んながお祝いしてくれて、家康からプレゼントして貰ったのは新色のリップ。また、お気に入りが増えた。
そして四月。
私は高校三年生に。
弓道部は夏の大会に向けて猛特訓。
家康も部長として厳しいながらも、一人一人に気にかけて的確なアドバイスをしていた。私はそのサポート。
二人で遅くまでミーティングしたり、自主練習したりして……。充実した日々を送る。
それでも時にはやっぱり喧嘩はした。
今思えば、
些細なすれ違い。
でも、喧嘩する度に仲直りした時の幸福感はとてもあって……
その度に色んな約束をした。
そして八月。
合宿終え、迎えた最後の大会。
私は団体戦で三位入賞、個人戦では惜しくも決勝で敗れ準優勝。
三成くん、政宗、家康の三人で挑んだ団体戦は見事優勝して……家康は個人戦で幸村とあたり、接戦の中、二連勝を果たす。
ご褒美ちょうだいって、言われて……
今度は頬っぺたじゃなくて唇に贈った。
それから秋。
本格的に進学に向けて勉強がスタート。
私は服飾の専門学校を目指し……
家康は医大。
政宗は就職コースを選んで、飲食店での修行が決まった。ゆっちゃんはパティシエの専門学校。信康くんは花ノ天女神社の後継者として翠玉と天鏡の元で日々修行。
私達は放課後、五人で将来の話をしながら勉強に打ち込んだ。
季節はまた冬を迎えた。
クリスマス……。
思い出の観覧車に乗りながら、見た夜景。去年は全然見れなかった!って、文句を言ったら……今年は存分にどうぞだって。
でも結局……
半周くらいは家康が離してくれなくて、見れなかったけどね?
ふふふっ。
私達はそんな日々を、交換日記として二人の思い出を書き綴っていた。