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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第291章 あなたに何度でも(11)




満月が消え去り、
代わりに現れた黒い雲。


それを追いかけるようにある野原に辿り着くと、俺はここに来る前のように空に向かって声を張り上げた。



「ひまりの元へ!連れて行けっ!」



ゴォォォォッ!!



それに応えるような唸り声。

分かってる。

この永遠の剣を持っていけばひまりは儀式をしないといけなくなる。俺だって普通の女の子に戻してあげたい。


けど……俺は神木なんかに。
いや、誰にもひまりに触れさせたくなんかない。それにひまり自身が拒むのも分かってる。




「なら……俺が神になる」



この左目も治らなくたっていい。
俺はどうなってもいい。


ひまりの笑顔さえ守れるなら、俺は何だってする。




「今度こそ!ひまりの笑顔を守りたいんだ!」




あの京都旅行の夜。
俺はひまりの体に刻み込んだ。
俺以外に絶対に触れさせないって。



その代わりいっぱい泣かせた。
ここに来るまでの間……
でも、もう泣かせない。


あんなに泣かせた分、必ず幸せにする。
絶対に離れてなんかやんない。


誰が引き裂こうが、
例え神が本当にいて邪魔しようが……



俺は……諦めない。





「何度だって。どんなひまりだってそれがひまりなら愛し続ける!」







ゴォォオオオッオオ!!!



空を真二つに裂いたかと思われるほどの音を立てて雷が鳴る。


右左、左右を取り囲むように走った稲光。



そして……


一筋の光が俺の頭上に……



ドォォォォォォンッッ!!







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