第281章 あなたに何度でも(1)
雨が地面を弾く。
ぽつん、ぽつん……
ーー暫く会えないけど。……必ず、帰ってくるから。
家康……。
消えた背中。
私は必死に手を伸ばす。
いかないでって。
必死に、ただ必死に手を伸ばす。
けど、鏡の中に閉じ込められたみたいにそこから出れなくて。
涙がとめどなく溢れた。
月を見ていると何故か寂しい。
ーーあなたにもう一度恋をする。
あなたは誰?
私じゃない……
でも私にそっくりな女の人。
満月が見える。
きらりと月光を浴びて光り輝く。
ーーこれで貴方に……
私は永遠の愛を誓います。