第274章 天邪鬼の愛〜真紅〜(16)家康さまside※R18
ひまり……。
この日の夜、俺は色んな思考を避ける様に夢中で抱いた。
心にも体にも刻み込む様に……ただ夢中で抱くことしか出来なかった。
ギシギシッギシギシッ!
真っ赤に染め上がったひまりの肌が、俺に焦りを呼び起こす。シーツを必死に掴んで、頬を紅潮させ、甘い声を漏らし続ける姿は、可愛いだけじゃなくて……本当に綺麗だった。
「くっ!……ハァッ、ハァッ」
「い、えやすっ!家康っ!」
ひまりはベットの上で体を跳ねさせながら、俺の名前をしきりに呼んで、欲望を締め上げてくる。
(好きだっ。こんなにも俺はっ……)
もっとぐちゃぐちゃに。
もっと俺の前で華麗に咲かせたくなる。
俺の欲望を咥え込むひまりのナカは、溶けそうなぐらい熱くてきつい。気を抜けばすぐに果ててしまいそうになり、俺は擦りながら必死に耐えた。
「んっ、んっ!」
唇を奪い、呼吸さえも俺のものにしたい。
全部、全部、俺だけのものに。肌も声も唇も……全部。
(ひまりの全部が欲しくて、堪んないっ)
重ねた手に力が入る。
ーー花が満開に育った時。それは、二人にとって別れを意味する。
(っ!!)
ーー信じられないだろうが……ひまりは……。
(くそっ!!)
ギシギシッギシギシッ!!
「あっぁあぁあっあん」
何度も何度も突き上げる。ゆっくりなんて、優しくなんてしてあげられない。
「……愛してるっ。ひまりっ」
好きなんて言葉じゃ足りない。
もう、足りないんだ。
「私もっ……大好きっ……」
ひまりは乱れながらも儚げに微笑む。
どんどん近づく限界。
多分、今夜は本気で寝かせれない。
ーー家康。信康の話は事実だ。
さっき風呂場に行く前。
掛かってきた一本の電話。