第272章 天邪鬼の愛〜真紅〜(14)
ねぇ、家康。
もしもあの時に腕を離さずに一緒に歩いて行ったなら……
私達の運命は変わっていたのかな。
一緒にサンタのスタンプ見つけて、笑い合って、一緒にゴールをしてたら……
貴方はずっと、
私の側に居てくれましたか?
折角、誤解が解けて仲直りしたのに……
あんなに……
ーー……愛してるっ。ひまりっ。
私の肌が、真っ赤に染まるぐらい熱く抱いてくれたのに……。
「くっ……な、んでっ……」
同じ時を刻むはずだった腕時計。
クリスマスから毎日付けていたイヤリング。
ベットのサイドテーブルの横に重なって、置かれていた。
カチカチカチカチ……
時は戻る。
クリスマスの三日後、京都旅行に……。