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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第263章 天邪鬼の愛〜真紅〜(5)




終業式終了後。

学園長室に集まった信長をはじめ、光秀、秀吉、佐助の四人は口を閉ざしていた。しんと静まり返った室内。高級絨毯のようなカーテンが閉められた窓からは生徒達の下校中の声が僅かに漏れてくる。


そんな中……


「何かわかったか?」


先を急ぐように信長は尋ねた。すると、光秀と秀吉は顔を見合わせ、先にどちらが話すか目配せして決め、光秀は頷くと口を開く。


「あの神社の家主である、信康の祖父はあまり容態が良くないようです。近所の医者が診察に訪れているようで、本人は一歩たりとも外に出てきません」


「真実の鏡については何か分かったか?」

「特にこれといっては……ただの古い鏡としか思えません」

「俺からの報告もこれと言ってはありませんが、信康はほぼ毎日あの書物を読んでます」


二人は報告を済ませると引き続き調べてみると言い、佐助の方へと視線をむけた。



「俺は、石碑の亀裂が気になります。目に見えない速度ですが、確実に進行していますね」

「……約五百年前の物だ。亀裂ぐらい入っても不思議ではないが、この時期を考えると何か意味があるかもしれんな」



信長は背もたれに体重を預け足を組むと、何かを迷走するように頭の裏に両手を回す。


「……この前の新月。初めて女が現れなかった」


「女がですか?それも何か理由が……」


佐助は眼鏡を正しい位置になるように、クッと指で押し、考え込む。探して欲しいと頼まれた三つの神器。しかし、何に使用するのかはまだ何一つ分かっていない。そんな状況で、唯一信長の元に現れる女の言葉だけが真相に近づく。この件に関わっている四人は、それを理解していた。





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