第254章 『一周年記念作品』※告白シュチュエーション②
でも、こんなに至近距離で顔を真っ直ぐ見ながら言葉にする勇気は持てなくて、髪を耳にかけながら不自然な感じがしないよう「先生……に、です」視線を横に逸らしながらポツリと言うと……
……………へ??
眼鏡の奥で瞳が「意外だった」という反応をするのを見て、もう一度……石田先生に贈るつもりで。と、言った後から火照り出す頬。
その頬をきめ細かい繊細な手が覆う。
「ク、クリスマスまで内緒にしておきたかったのですが……迷惑……ですよね!ほら!先生!いつも、こうやって私、一人でも補足授業を開いてくれるので、そのお礼にっ!」
普段からあまり取り乱したりしない筈なのに、私は、ついまくし立てるように口がペラペラ動く。
すると下の名前で先生は呼んで……
顔を少し横に向けて眼鏡を外すと……
「私も卒業式まで秘密にしておくつもりでしたが……今、言わせて下さい」
貴方を生徒ではなく。
一人の女性として……
お慕いしていることを。
数秒後。
先生が眼鏡を外した理由がわかった私は、迷わず瞼を落とした。
〜fin〜