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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第252章 『一周年記念作品』学園祭♡一日目(前編)




霜月の中旬___


木枯らしが吹き、落ち葉が舞い散る様子に、もの寂しさを感じ、温かいものが恋しくなる季節。

恋人たちはそれを理由にして歩み寄り、寄り添い、お互いの体温、心と心を温め合う。

セピア色にも見える景色。

それでも仲良く手を繋ぎ、体育館に向かう生徒たちの頭上には深く碧い空が広がっていた。


そんな空の下。


歴史ある戦国学園には、ある一大イベントが行われようとしていた。

それは遥か昔、各地の武士がこぞって美しい年頃の姫君を連れ、言わば愛娘の自慢大会のような催し……姫達の熱き戦いが各地の城で開催されていた。という、伝統行事が発端になっているとか、なっていないとか。


真実は定かではないが、それを元に時世は移り変わり戦国学園で、学園祭と称した『カップルコンテスト』という、催しが行われるようになり……優勝したカップルには、戦国武将、戦国姫の称号を一週間与えられ、豪華景品が贈呈されるらしい。


「あー!緊張して来た!」

「まぁ、楽しもうぜ!」

「一次審査…突破できるかなぁ…」

「俺らなら出来るつーの」


こぞって学園内のカップルは参加。


しかし、正式に参加出来るのは一次審査「ファッションコンテスト」を上位で突破したカップルのみ。


しかし、ある一組のカップルは無条件で正式に……いや、一次審査は関係なく強制参加。



「はぁー……趣味悪」

「ふふっ。そうかな?」



見事?校内推薦枠をゲットした家康とひまりは、体育館の入り口で立ち止まる。


二人の視線の先は、
安っぽさなんてどこにもない、もはや派手な所しか取り柄のない看板。それは、笑顔で中に入っていく生き生きした生徒よりも輝きを放って……



『恋も勉強も下克上!!』



……いたのは間違いないであろう。


本当にカップルコンテスト会場なのかと目を疑いたくなる金色看板に、家康はただズキズキ痛み出した頭に手を添えるので精一杯だった。





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