第244章 天邪鬼の愛〜中紅花〜（31）時が繋がるルージュ編※R18

添えられていた手も、
ゆっくり動き出して……



「くっ……も、う……」


「ンッ……ンッ……」



ドクンドクンッ。
いつ吐き出してもおかしくない欲望。

俺を気持ち良くさせようと唾液まみれになりながら口に頬張って、一生懸命なのも可愛い。


色っぽくて綺麗で……


誰にも見せたくないのも、誰にも触れさせたくないのも、腕の中に閉じ込めておきたくなるのも全部本音。


時々……
好き過ぎて壊したくなる時だってある。

ずっと……
俺だけのお姫様でいて欲しい。


俺はいつだって
ひまりが可愛くて……
どんなひまりだって……

ひまりなら


『欲しくて』……

『たまらない』『我慢できない』



けど……



「ンッッ！………い……え…やす？」


「ハァ、ハァ………」



吐き出しそうになった寸前。

ひまりが息継ぎするのに口から離した隙に肩を軽く押して、次の動きを止める。乱れた呼吸を俯き加減で整えていれば、トロンとしたひまりの瞳が覗き込んできて俺はそのまま、強く抱き締めた。


それから……


「………ってない」


「………え…」


格好悪くて言いたくないけど。
バカみたいに情けなくて照れ臭いとか、通り越すぐらい気恥ずかしいけど。


何で？って、

『不安』には、させたくない。



「……持ってないから……抱けない」



ひまりの後頭部に手を添え、顔が赤いのも自覚しながら、目を合わせた。