第241章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(28)時が繋がるルージュ編
今回の全体のコンセプトは……『鏡』
ルージュの色が違うように時の違う二人の女の子が愛しい人の事を想って、鏡を通して色んな表情を浮かべ、待ち合わせをして、ルージュをプレゼントされるっていう、少しストーリー性を含んだのが編集長が求めている要望。
「最後は、その女の子が一つになったようなカットが欲しいみたいだよ〜〜」
「一つに?それが時を繫ぐ……」
「編集長の頭の中には、ばっちりイメージ図が浮かんでいるみたいだけどね!さぁ!完成♪」
スタイリストさんは自身満々に「上出来っ!」と自分の腕をぱんぱんと叩いて、衣装が沢山かかっている金属製のハンガーラックから一着持ち……
「まずは、これに着替えてね!」
「可愛い〜〜ウサギさんみたい」
簡易カーテンがかかった部屋の隅で、髪型を崩さないように着替える。
そして、
鏡の中の私が、少し変わった。
滅多にしたことないルーズ感あるお団子ヘア。まるでお風呂上がりみたいな、ふんわりメイク。そして衣装はフードの部分にうさぎの耳が付いている、真っ白な雪みたいなふわふわでモコモコのワンピースタイプのルームウェア。
最後に同素材のくしゅくしゅのソックスを履くと……
「いやぁ〜〜もう、可愛い!彼氏さんメロメロになっちゃうね!」
「あ、ありがとうございます///」
ルームウェア姿は今までも、
見られたことがあるけど……
(ドキドキしてきた///)
何かくすぐったい感じがして……
デート前の女の子も、
きっとこんな感じで……
私もいつもこんな気持ちで……
今日はどんなデートかな?
可愛いって言ってくれるかな?
家康に会う前は、
こんな風にいつもそわそわしてる。
……って改めて実感した。