第237章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(24)時が繋がるルージュ編※R15
部屋の隅に置かれた……
淡いピンク色の、
木目調フレームのスタンドミラー。
姿見は部屋を広く見せる視覚効果もあり、身だしなみのチェックには欠かせない。折りたたみタイプのスリム設計で狭いお部屋にも置きやすく収納性も抜群。赤点を取らすまいと家康が時間の合間をみてみっちり勉強会を開いたお陰で、ひまりはテストの出来が良く、母親からつい先日買って貰ったばかりだった。
その鏡の前で、プチンッ……
制服の赤いリボンを、首元から外す。
(やっぱり、部屋にあると便利!勉強みてくれた家康にも、ちゃんとお礼を言わないとねっ)
鏡の中の表情が自然と明るくなる。
けれど……
靴下を脱ぎ、次にブラウスのボタンに手を掛け、一つ一つ上から下に外していき……
(すぐに来るって言ってたから、早く着替えないとっ)
ブラウスをベットの上に置きらスカートのジッパーを下ろしてパサリと床の上に落とした瞬間、表情心なしか曇る。
赤い下着姿の素肌。
ひまりは鏡に映る自分の肌に触れるように、手を伸ばす。
白い肌に映える赤。レースにプリーツ加工のレースが組み合わせ、透明感を表現したブラは、ラインストーン付の花モチーフアップリケで輝き、スウィートフェミニンな雰囲気。ショーツはブラとおそろいでレースを使用した少しセクシーな印象のデザイン。
以前に弓乃と副部長にショッピングに行った時に進められ、購入した物。普段なら絶対にしないタイプの下着だ。
(まさか、あんな状況で見られるなんて……)
薄暗い空き教室。
ドレスを引き裂かれた瞬間。
翡翠色の瞳が大きくなり驚きの色を浮かべたことを、ひまりは鮮明に覚えていた。
他の男にも見られてしまった事も考えると、ショックは大きい。ついでに下着も替えようと思い、クローゼットの前に移動。
すると、
玄関のチャイムが鳴り……ひまりは急いで赤い下着の上からルームウェアを着て、慌てて階段を駆け下りた。