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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第232章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(19)




そして頬にかかった茶色の髪を、少し弄りながら近づけていた顔を離せば、ほんのりピンク色に染まった頬を見せ、政宗の横に立った。


「早く行ってあげな。病院に向かう道中、私がたっぷりお灸据えてあげるから!覚悟しなって言っといてよね!」

「変な意地張ったら、俺が無理やり引っ張っててやるよ」


明らかにぎこちなかった朝とは、違う雰囲気の二人。



「ゆっちゃん…政宗……」



ひまりは二人の様子と言葉から、弓乃が言った「じっくり」の意味をもしかして……と悟り、 そして家康への想いはしっかりと伝わり……



「二人ともありがとう!」



カバンを二つ肩にかけ、プリンの入った袋を胸の前で抱えると「また、帰りにね!」そう告げクラスの皆んなに詳しい事情はまだ話さずに、呼び込みが出来なくなったことだけ断りを入れ、教室を後にした。


小柄な身体には不釣り合いの姿。

一生懸命二人ぶんの荷物を抱え、教室を出て行くひまりを見送った弓乃は、安堵の息を吐く。



「良かった。思ったより、元気そうでさっ。……話聞いた時は、心配でたまんなかったけど」



ぽろりと本音を零したように言えば、
頭に温かいぬくもりがふんわりと乗り、



「お前も、どうせなら……ひまり
の心が元気な時に話して、全開の笑顔見せて欲しいんだろ」



優しさを含んだ低い声が、
胸を高鳴らせた。


背中を軽く曲げ、
至近距離で弓乃の顔を覗き込んだ政宗。

目が合った瞬間、少し上がる口元を見て弓乃は更に心臓を騒がせ、早く行こうと言って先に歩き始め……


(ばかっ。これ以上好きにさせないでよねっ///)


浮き立つ足取りに気づかれないように、
前を真っ直ぐに見た。


廊下に出た二人。



弓乃の頭に付いていた赤いリボン。今は姿を消していたが…。ただ、今にも手が触れ合いそうなほどの二人の距離からは、赤い何かが見えた気がした。




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