第216章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(3)
そして、
信長は座り込んだまま、感情の全く読み取れない表情を浮かべ……
(次の新月。何か変化があるかもしれん)
目を鋭く細めた。
その日の放課後___
いよいよ文化祭を明日に控え、戦国学園は、文化祭の準備の真っ最中だった。ラストスパートをかけ、生徒は自分達のクラスの出し物準備で大忙し。
「ほら、政宗!あんたが一番、力が無駄にありそうなんだから!行くわよ!」
「あ?お前な。さっきは、無駄に筋肉あるから看板作りしろって言ってなかったか?」
気が変わったのよ!弓乃は、逞しい腕を引っ張りそれとなく触れ、スキンシップ作戦。内心は明日の告白で、心臓が今にも飛び出しそうだった。
ちなみに、このクラスはコスプレお化け屋敷&喫茶に決まり、簡単なカフェメニューを出し、衣装と雰囲気をお化け屋敷風にして開く予定。
そのため、コーヒーや、紅茶、お菓子作りの材料はもちろん、部屋の装飾、その他もろもろ沢山の物が必要となってくる。
先に、教室から出て行く二人を見て……
「家康!私達も、そろそろ行かないとねっ!」
「……はぁ。本当なら、ひまりと二人で……」
「ほら、立って!看板作りよりマシって言ってたの誰だったかなぁ〜」
「それは、それ」
「ふふっ。その代わり、明日の休憩時間。いっぱい一緒に回ろう?」
ブツブツと文句言う家康のご機嫌を取りながら、ひまりはブレザーをチョンチョンと引っ張る。
買い出し班は、本来は実行委員の二人の予定。しかし、荷物が多くなるのは先に予想でき、急遽人員を増やしていた。
「信康くんも行こう!」
三人は教室を出て、
弓乃達の後を追った。