第212章 『意地悪なangel』
俺の彼女。
可愛くて、優しくて……。
泣き虫で、駄々っ子で……。
無自覚で、無防備で……。
そんな所が、堪らなく可愛いと思っている。まぁ、無自覚、無防備は俺以外にはやめて欲しいけど。
昼休み。テスト最終日の今日。
石碑の前で膝の上にひまりを乗せて、最近、何故か性欲が半端ない俺。
学校の裏庭。
昼間だと頭で認識してても、
夢中で貪るようにキスして。
「んんっ……はっ、ぁ」
(頬っぺた。ピンクになってるし)
俺の舌の動きに、一生懸命応えてるのが可愛いくて……働いたちょっとした悪戯心と下心。
ブラウスの上から、
やんわり胸を触ったら……
「………んっ!」
ピクンッ。
反応したひまり。
その時……
《ゴンッ!!》
「っ!!! 」
そのまま軽く後ろに仰け反った拍子に、石碑に頭を思い切りぶつけた。
「…………………」
「ちょっ!………ほら、たんこぶ出来てないか見てあげるから」
腰をしっかり掴んで自分の方に引き寄せ、ぶつけた何処を、手探りで腫れてないか確かめる。
「……………………いったぁ……い」
大分長い間があった後。
いつもなら、全然大丈夫。って、言いながら、頭を押さえ、薄っすら涙を浮かべそうな、彼女が……
頭に触れていた、
俺の手を掴み……
大きな瞳をスッと細め……
「別にいいよ。それより………」
キスの続きしなくていいの?
ペロリと舌で、艶かしく口端を舐めた。
「へ??」
開いた口が塞がらなくなった俺。
至近距離に迫ったひまりは、クスッといつもとは違う、笑みを浮かべ……
…………冗談だよ?
ゾクゾクするような甘美な声で、ボソッとそう言って……
予鈴がなるのと同時に、
耳元に、息を吹きかけた。