第189章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜あとがき
二人はすっかりキスに夢中になり。
忘れていた。
「あら〜我が子が狼になっちゃったみたいね〜」
「家康くんなら、安心して任せれるけどね。小さい頃から、本当に大事にしてくれてたから」
ひまりの自宅前だと。
玄関扉を少し開けて出るに出れず、家康の母親はまた中に戻る。今日はひまりと家康の帰りが遅いと聞いていた為、姫宮家で集まり大人達は過ごしていた。
「そう言えば、この前の栗ご飯美味しかったわ〜。お裾分けした政宗くんも絶賛してたって、ひまりが言ってたし、また、レシピ教えて貰えない?」
「近々作る予定だから。今度こそ、ひまりちゃんお手伝いに来てくれるかしら?我が家の味を、覚えて貰いたいわ〜」
花嫁修行がてら♡
母親二人はもう未来予想図。
しかし、中に居た父親同士は……
「ふつつかな娘ですが、可愛くて、もう目に入れても痛くない程、可愛くてですね!徳川さん!徒歩一分の好青年な家康くんなら、きっと、きっと…うぅ…」
「あはは。まだ、お嫁に来て貰うのは当分先ですよ。息子には、責任感を持ち、自立をしてこそ幸せに出来ると。家康もその辺りは理解しています」
支離滅裂な会話を、ビール片手に繰り広げていた。
そして、
「送ってくれてありがとう。また、明日、学校でね」
「電話、楽しみにしてる」
朝練が始まった事と、家康の大会が近い事もあり、ひまりのモーニングコールが再開。
甘い雰囲気を残したまま、ひまりが門に手を掛けた時だった……
ガチャ。
「「おかえりなさい」」
二人の母親が出迎える。
家康はギョッとして立ち止まると、
「家康く〜〜ん!寿司が残ってるから食べていかないか?」
「ひまりちゃんも、久々に話し相手になってくれないか?」
中から聞こえた声に、決まりそうな顔を浮かべる。ひまりはクスリと笑い、
「ほら、お腹減ってるんでしょ?行こう」
イタズラっ子みたいに、人差し指を口に当てて満面の笑顔を見せた。
『Happy♡Halloween』(完)