第4章 7月
「どうしたの?」
「どうしたんでしょうね」
私にもわかりません。
雨の日の七夕って、変わってしまうんですか?
私と和也君との距離、机一つ分。
心の距離、知りません。
長い沈黙。
と思って時計を見たけど、一分も経っていませんでした。
「・・・」
「・・・」
「ごめんなさい」
「いや、それはいいです」
「ちょっと、寂しかったんです・・・」
「え?」
何を言ってるんでしょうね、私は。
勝手に口が動くなんて、言い訳にすぎません。
次に沈黙を破ったのは和也君でした。
「もしかして、ゲームに妬いたの?」
「・・・・・・」
恥ずかしい。
でも本当で
頷くしかないです。