第3章 6月
「・・・・・・」
「・・・・・・」
どうしよう。
血の気がひいてく。
「マフラー」
「手袋」
「これから夏がやってくるよ?」
「バカなことしちゃった」
マフラーを握る手が震えてる。
こんなの和也君にプレゼントしたら、絶対
『こんなのいらないでしょ』
とか
『意味わかんないんだけど』
とか
『バカでしょ』
って言われる。
確かにバカですけど
和也君に嫌われるのはいやだ。
「私、和也君に嫌われる!」
「!葵ちゃん」
「それは考え過ぎだよ」
なんでこんなことしちゃったんだろ。
イヤだ。嫌われたくない。
「今から・・・」
松本さんが呟いた。
「今から作ろう!作り直そうよ」
「え?」
「ゲーム入れでもなんでも作るぞ!葵ちゃん」