第12章 3月
「ニノー」
「なんですかー」
只今、ニノミさん、ゲームしてます。
ロケの場所に移動中の車でのこと。
あいばかがまた楽しそうに話しかけてくるんですわ。
「ホワイツデーどうすんの?」
「は?」
ホワイツデー?
なーにがホワイツだ。
かっこつけて。
「だーかーら、ホワイトデーだよ!」
「わかってますよ」
じれったそうですけどね、貴方が一番じれったいのよ。
「何するの?」
「俺さ、思うんですけど~」
「お!ニノの語りきたよ」
「なになにー」
前に座っていた方も身を乗り出されましたよ。
「バレンタインに、チョコ貰うじゃないっすか。それって、向こうがあげたくてあげるんすよね?」
「つまり?」
「向こうが勝手にくれたのに、返す必要あります?」
ガキのころから思ってた。
『二宮君、お返しくれる?』
『なんの?』
『バレンタインデーの!』
『なんで?』
『だって、あげたでしょ?』
ありましたよ。
お陰でお財布からお金が逃げてくの。
「なるほどね」
「んでもさ、彼女が好きだったらあげない?」
「うん。好きな子は別でしょ」
それは・・・もちろんそうですよ。
でもさ、女優さんとかって・・・ねぇ?