第10章 1月
「戻ってきたの?」
「はい」
手伝ってくるって言ったのに、
加藤さんはすぐ戻ってきた。
「いいから、って追い出されちゃいました」
ちょっとちょっと、そんな言い方ないんじゃないですか?まるであおさんが悪いみたいな。
まあこれは私のただの惚れた弱みというやつですがね(笑)
「きっと怪我でもさせたら悪いと思ったんですよ。あの人そういうの伝えるの下手だから」
「さすがニノ」
そりゃあ、守りますよ。
だって、どうせ今頃『なんで加藤さんじゃなくて私なんだろう』とか考えてそうですからね。
「なんか、いいですね。お互い思い合うって」
「理想なんだよね。二宮夫婦は」
「ありがとうございます」
何よりもいいのは、あおさんを見飽きないこと。
いくらでも見れますよ(笑)
「知ってる?二宮伝説」
翔さんが加藤さんにいきなり問いかけた。
二宮伝説?
「玉ねぎで日向を泣かせたニノがね」
「あ、俺も知ってる!」
にやつく翔さんに参道する潤くん。
「涙を舐めたんだよね~」
「えー!」
ありましたね。そんなことも。