第10章 1月
誰からかも確認せずに電話に出た。
「もしも~し」
『なに、その緩い声は』
「和也君!」
一気に目が覚めました。
体を起こして、私は今きっとすごい笑顔です。
『あけましておめでとうございます、あおさん』
「おめでとうございます!」
忙しいはずなのに、電話をしてくれる。
和也君は、実はとても優しい人なんですよ。
『ごめんなさい。今日は帰れそうにないですね』
「それは大丈夫です。忙しいのに、ありがとうございます」
『ふふっ。おせちできてる?』
「はい!」
『楽しみ』
耳元で聞こえる和也君の声。
『じゃあ、お休みなさい』
「はい、お休みなさい」
『おやすみ』
甘く囁く和也君。
その声に、全身溶けてしまいそうです。
体が一気に温まったので、ぐっすり眠れそうです!