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アイナナ夢

第22章 Rey16


16

レッスン後、何度か同じ番号で着信が入っていたけど私が出ることはなかった。
ラビチャにも楽の文字があった。

【悪かった…俺はお前が心配なんだ】

番号も教えたこと無いはずなのにどうして知っているんだろう。
私は返信することなく、そのまま放置してしまっている。

「どうしたんだ?」
『あ…大和さん…昨日はあり』
「しー」
『?』

ありがとうと言いかけて止められる。
そうか。昨日倒れたのはReyって事になってるのかな。
どうも私は注意力に欠けているらしい。

「さっきからスマホ見てるけどなんかあった?」
『べ、別に何も…』

楽からのラビチャで悩んでるなんて言えなかった。
そんなことを思っていると、大和さんにスマホを奪われてしまった。

『ちょ、待っ』
「んー?もしかして男かー?」

不味い。相手のアイコンが楽だ。
違う事務所のアイドルにラビチャされてるなんて知られたら問題だろう。
幸い、私は返信をしていない。

「……」
「人のスマホを見るなんてデリカシーのない人ですね。彼女が嫌がっているでしょう」
『い、一織…』

すぐ近くにいた一織が止めに入ってくれる。
でも、私のスマホは大和さんが持ったままだ。

「こいつになんかされた?」
『なんでも無いから返して』
「なんでも無いなら言えるよな?」
『……』

大和さんに教える義理なんてないし、完全にプライベートみたいな部分がある。
ここで暴露するような真似は絶対したくないし…。

「なんか浮気がバレたカップルみたいだな」
『「え/なんで?」』

三月さんが妙なことを言い出した。
浮気とかカップルって意味がわかりません。

「この場合、彼氏が零で彼女が大和さんだけどなー」
「どうせなら俺が彼氏の方が良かったな。なー?」
『何言ってんの』

私は大和さんを睨みつけた。
そんなことは冗談でも言って欲しくなかった。

「音無さん、私から貴女に話があります」
『ここでは出来ない話?』
「はい」
『そういうことだから大和さんスマホ返して』
「……」

大和さんが無言で私にスマホを返す。
何も言ってこないから逆に怖い気がする。
いつもなら俺もって言ってくるのに。
そう思いながら私は一織と一緒に部屋を出た。
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