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アイナナ夢

第6章 Rey4




どうしよう。
どうしようどうしようどうしよう。
聞かれたくない人に聞かれた。

「なあ、今の…」
『……』
「お兄さん悲しいなー」

そこにいたのはIDOLiSH7のリーダーである二階堂大和。
察したのかは分からないけど、二階堂さんは扉を閉めて鍵をかけた。

「いいこと教えてやろうか?」
『ぇ?』
「お前さん、幽霊騒ぎの原因になってるぞ」
『い、意味が…』

最近ここで歌ってるせい…?
でもほとんど人がいないはずなのに。

「俺らは謹慎中で歌もダンスもダメだろ?なのに奥から誰かの声がするって見て来いってお兄さんにご指名」
『声って…』

歌とは言ってないけど…聞いたら墓穴掘りそう。
これでは聞くに聞けない。一体どうすれば。

「うん。声」
『えっと…』
「いい声だな」
『……』

何も言わない私を二階堂さんはじっと見ている。
それも興味ありそうな目で。

「音無」
『は、はい!?』
「動揺しすぎでしょうよ。そんなんじゃ隠し事できないでしょ」
『か、隠し事なんて…してません…』

なんだか悪いことをしてるような気がして来た。
二階堂さんが一歩近づく毎に私が一歩下がる。
このままでは逃げ場がなくなってしまう。

「それじゃあさっきの声は?」
『……』
「お兄さんに教えて?」

壁まで詰められ動けなくなる。
それでも近く二階堂さんが怖く感じた。

『ち、近いですよ』
「勘違いしたままでいい?」
『か、勘違い…?』
「実は音無が男の子だったとか」
『ぶっ!?』

思わず吹き出してしまった。
一応スカート履いてますけどおおお!?

「そんな訳ないのは知ってるけど」
『どうしてそんなこと言えるんですか…ろくに喋ったこともないじゃないですか』
「俺が怖いって思っただろ?」
『…少し』

そう答えると二階堂さんが笑った。
一体何がしたかったんだろう。

「仮にお前さんが男だったら抵抗もするかなってな」
『それはどうでしょう…』

だって私…人見知りだし、嫌なことがあると逃げる節もあるし…。
今だって今すぐ逃げたいんですが。

「それで、お前さんは何をしてたんだ?」
『聞くまで引かない気ですか』

返事をしなかったが、すごくいい笑顔なのでそのつもりらしい。
こう言う時どうすればいいんですか社長ーーー

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