第13章 漫画の1ページ/向坂椋/甘
『はぁ〜…この主人公可愛すぎる…』
椋「だよねだよね!」
と椋は部屋で少女漫画を読んでいた
『しかもこの主人公を好きな男の子もキュンキュンさせるね〜♡』
椋「こんなふうになりたいなぁ…」
『私もこの主人公みたいに素敵な恋したいなぁ…』
椋「ちゃんは可愛いからモテそうだね」
『え〜?椋くんだって可愛いよぉ!』
椋「ボクは全然だよ」
『今度綴くんにこういうドキドキするような脚本、お願いしようかなぁ』
椋「それいいね!」
『(椋くんと…こういう恋したいなぁ…なーんて…)』
椋「ちゃん?」
『ふぇっ!あ、ごめん、ぼーっとしてた』
椋「ボク飲み物持ってくるね!」
『あ、うん!』
椋は部屋を出た
『……恋かぁ…』
は漫画を開いた
こんなふうに…ドキドキしたいな
『《自分の気持ちがわからない…私は…》』
二人の男の子に告白されて迷う女の子…
椋「《俺じゃダメなの?》」
『!!』
椋が部屋に帰ってきていた
椋「《俺じゃ…何でダメなわけ?》」
『(漫画のセリフ…)』
椋「《俺なら…お前のこと泣かせないよ》」
『《でも…私は…》』
椋はの顎を持ち上げて自分の方に向けた
椋「《俺にしとけばいいじゃん、》」
『えっ…///?』
椋「えっ…?」
『(漫画の主人公じゃなく…私の名前…)』
椋「あ、や、あの…///」
は椋の服を掴んで引き寄せた
『《それ…本心で言ってる…?》』
椋「え、えぇっ…///!?」
は椋の頬にキスをした
椋「…///!」
は顔を逸らした
『ご、ごめん…』
椋「…ちゃん…ここに…してもいい?」
椋はの唇を指でなぞった
『…///!?』
椋「ダメ…?」
『…い、いいよ…///』
が目を閉じると椋と唇を合わせた
漫画の1ページ
(少女漫画みたいだね…///)
(こんなグズでマヌケでノロマなボクなんかと…!!)
(…椋くん?)
END