第9章 君を守る為に
すばるside
昨日こいつが…
泣きながら俺に
好きやって言うた時から
なんとなく解ってた…
好きやっていうこいつの言葉が
俺には…
"好きになってごめんなさい…"
そう言ってるように
聞こえてたから…
きっとこいつは
明日になったら
俺の側から離れるつもりなんやって
亮のところへ帰るつもりなんやって
そう感じてた…
だから朝になって俺に
"一緒にいられない"
そう言った時も
驚かんかったし…
むしろそれでええと思ったんや…
だってそうやろ…?
あいつがもっとずる賢くて
自分さえ良ければいいって
やつなら
自分がついた嘘に
きっとこんなにも
苦しんだりはせぇへんかった
はずやから…
"お前が帰る場所はここや…"
そう伝えた時
抱きしめたあいつの肩は
小さく震えてて
"ありがとう…"
そう鼻声で呟いた…
あいつは俺を好きで…
俺もあいつが好きで…
もうそれだけで十分やんか…?
あいつが家を出て行くとき
"すばるくん大好きです!"
そう笑って言うてくれたから…
俺はその笑顔だけで今
何ヵ月でも
何年でも
待てそうな気がしてるんや…(笑)