第2章 始まりの嘘
3年前のあの日
大して仲良くもない会社の同僚に
人数合わせの合コンに誘われ
一度は断ったものの……
"タダでご飯が食べられるよ?"
なんて言う…
甘い誘い文句に負け
合コンという名のタダ飯会に参加した(笑)
もちろんそんな私にとって
相手の男性陣がどんな人たちか?
なんてことはまーーったく興味はなく
私の関心は
どれだけ美味しい料理を食べられるか?
になるわけで…
店に着いてすぐ
一番はじっこの席を素早くキープすると
壁に体を向けつつ
一人美味しい料理に
美味しいお酒を晩酌するという
なんとも贅沢なディナーに
酔いしれていた(笑)
でもそんな私の隣に
いつのまにか座っていた男の人が
「みんなとしゃべらへんの…?」
なんて…
ほっといてくれればいいものを
私に話しかけてきて…
仕方なく
「私は…あんまり興味ないんで…」
そう壁を向いたまま答え
目の前のご馳走に集中しようとすると
こりもせずまた
「俺も友達に誘われて来たけど
こういうん苦手やねん(笑)
良かったわ…気が合いそうな人がおって…」
なんて嬉しそうに話しかけてくる…(涙)
いやいやこっちは
全く気なんか合いたくないんですが?
そんな私の気持ちをストレートに
お伝えするために
私の秘策
とっておきの撃退砲を
発射してやった…
「気が合いますかね…?
私が興味が無いって言ったのは
男の人にってことですけど(笑)?」