• テキストサイズ

秘密

第1章 秘密の恋


いつものように

冷蔵庫から冷えたビールを取りだし

我が物顔でソファーに座る亮ちゃんに

差し出すと



「ありがとう…(笑)」


そう言って亮ちゃんは

嬉しそうにビールを喉に流し込む



そんな亮ちゃんの顔を見ているだけで

私の胸はどくどくと高鳴って


その横顔に


"好きだ!!"


そう大声で叫びたくなる…(笑)



でもそんな心の声には

そっと蓋をして




なに食わぬ顔でソファーを占領する

亮ちゃんの体を押し退け隣に座り

冷えたビールで

心臓のどくどくを押さえ込んでいると…



不意に亮ちゃんの腕が

私の肩に乗っかって



「俺…新しい彼女が出来たんやけど(笑)?」



なんて…

ただでさえ垂れてる目尻を

嬉しそうに下げながら聞きたくもない

報告をしてくる…(涙)



でも実際のところ…


こんなことは慣れっこで


もう動じることもなく


「はいはい…

次の彼女は長続きしそうですか(笑)?」



そんな言葉をビール片手に

簡単に返せたりする(笑)



「どうやろなぁ…

とりあえず顔はかわいい(笑)」



「はぁ…また顔…?

毎回顔で選んで失敗するのに

こりないねぇ…(笑)」




「うるさいわ!!

全然彼女もできへんやつに

そんなん言われた無いわ(笑)」





…………ズキン…ズキン…ズキン………





何度同じ会話を繰り返しても

慣れることのない鈍い痛み……




いったいいつまで私は




自分のついたたった1つの嘘に


苦しめられ続けるんだろうか……?
/ 82ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp