第2章 彼等は恩人
全く彼は本当に冗談の旨さといい、女性のたしなめ方に慣れている
王子とかどこかの王国育ちなのだろうか
「それにしてもサンジさんといい、ここって面白い船だね」
「! まあ確かに……ここはは変わり者しかいねェしな」
ハハハと笑うサンジの声を聞きながらホッとした
まず私にかかっている懸賞金は並大抵では無い。
女とわかっただけで襲ってきた人もいた。
久しぶりにゆっくり出来そうだ
「今まで散々過ぎて、正直疑ってたから……」
「俺達はそんなこと絶対しねェ!だがハナ……大変だったんだな」
心配そうに見る彼の目から逸らして、話を続けた
「……10408」
「?」
「私には物心ついた時から自分が大変なことになってしまう歴史とその大変なことになった回数がみえるの」
「大変なこと?ってのは……」
「……つまり、私が死んだ回数だよ」
「?!」
「10408、つまりこれは私が今まで生きてきて 自分の死 を回避した回数ってことになる。
言い換えれば私は別の世界か何処かで10408回死んでるの」
「そんな、ことが……」
考えれば散々私は逃げた訳だ。そして今日もこの歴史は見えた
そう、今日青キジと会ったあの時だ。
自身が凍らされた光景、私はあそこできっと条件をのまなかった。
だから私はあそこでのむしかなかった。
この力もきっと私が生きなければいけない理由の1つだと思う。
だから死んでしまった他の私の為に私は生きなけらばならない。
「……ハナちゃん」
「って随分と重たい話しちゃった、ごめんね!
ただ私は簡単に人を信じれないんだってことを伝えたくて」
そう言っても黙るサンジをみて思った
あぁ絶句か
私ったらなんてバカな___
「……バカにするわけないだろ!」
「えっ」
サンジが声を荒らげ私に言った
驚いて目を丸くする
「っわ、悪い! 真剣な話だと思ったからつい……」
「あ、うんその……そうだけど」
初めて見た
__のに
何でデジャヴを私は感じている?
「少し話聞いただけの俺だけど……!
ハナちゃんがそんなに苦しんできたと知ったら!俺は!
俺を無理に信じろとは言わない!
俺は絶対にハナちゃんを
__二度と死なせない」
「……本当に?」
「ああ」