rain of conflict【黒バス/ナッシュ】
第1章 rain of conflict
「は、ぁ・・・あん・・、抜・・・ぃ、や・・っ」
名無しは、自分の両耳の傍でそれぞれの腕を拘束され、不意をつかれ、止め処なく下半身を攻め立てられた。
何度内部を侵されても慣れないのは、その圧迫感とナッシュそのものの体積ゆえだ。
熱を持った猛りが愛液満ちた筒に差し込まれれば、決まって動かされるその刺激ひとつにも耐えがたいものがあった。
そして齎される快楽と喜悦。
やがてそれらは名無しを誘惑して、拒むというその行いから彼女を無理やりにでも遠ざけさせる。
「はぁ――ん・・・ガマン出来なかった・・・なんて、シッポ振って悦んでるヤツにはぴったりの台詞だな・・そう思わねえか?名無し・・・そらよ」
「っ・・!あ・・っ、・・それ・・・いや・・・、いや・・あた・・って・・」
「ん・・・、ぁ・・・名無し・・・」
「ッ・・・ナッシュ・・っ・・!や・・・」
ナッシュはとても二度目とは思わせないような腰付きで、激しく名無しを攻め上げる。
規則的にも、不規則にも陽物の出し入れを、幾度も幾度も繰り返していた。
抗う名無しの閉じようとした足が彼の脇腹で止まれば、律動により振り払われ、再びいやらしく宙に放り出され、広げることを余儀なくされる。
「ナッシュ・・・、ぁ・・・」
名無しもまた、最近はいつものように思っていた。
抱かれることは、本当は今は嬉しい・・・なのに嫌がっていた頃の自分と記憶が混ざって、嬌声は全て、否定的なそれになってしまう。
彼女も人知れず、ろくにナッシュに本音は言えなかった。
絶頂の寸前、苦し紛れに紡いだところで想いを受け入れてもらおう、なんて・・・そんなことそのものがまず浅はかなのだ。
何度ナッシュに抱かれても、それでもまだ彼女には、堂々と勇める想いが解放できなかった。
もしも真っ向から受け入れられなくなってしまうかもしれないなら、いつまでもこのままの関係でいいとさえ感じるほど――。
「・・・ッシュ・・・・ナッシュ、・・」
ひとつになっているあいだだけは、ナッシュのことのみを考えていられる。
ふとそう思うと、また浮かぶのはひとつの矛盾だった。
好くなりたいと願うも、絶頂など訪れなければ長く手を伸ばし、ずっと抱き締め合って互いを感じ合えるのに、と――。