第48章 甘えられる人
「ん……」
燭台切「これは明日、目が腫れちゃいそうだね…」
しばらく泣き続けていたために主の目は赤くなっていた。
長谷部くんに見られたらすごい怒られそうだな…でも、ある意味僕が泣かしたってことになりそうだし、仕方ないか。
燭台切「ほら主、今日はもう休んだ方がいいよ…疲れちゃったでしょ」
「嫌です……」
燭台切「え」
「せっかく燭台切様がいるのに…寝たくなんて、ない……」
寝たくない、という主に困ったように目をそらす。
これも僕の前だからわがままを言ってくれてると思うと嬉しくはあるのだが寝ない、なんて言われてしまうと困ってしまう。
甘やかしてこのまま寝るまで付き合ってもいいのだけど……
燭台切「それじゃあ、眠たくなるまでここにいるから布団に寝転ぼうか?」
「……はい」
こくりと頷いて布団に寝転んだのを見ると、眠るまでは近くにいた方がいいだろうと、すぐそばに座ろうとすると……
「添い寝してほしいです……」
燭台切「……ん?えっと……添い寝って…あの?」
「ぎゅーってしてほしいです…」
これまたなんという……。
あんなに甘えてこようとはしなかった子が珍しく甘えてくれようとしているのなら男としては好きなだけ甘やかしてあげるべきなんだろうけど……
燭台切「主、前にも言ったように僕だって男なんだよ?」
「……男の人?」
燭台切「うん、そう」
「知ってるぅ…!」
子供のように笑う主にこれは意味を理解してないなと頭を抱えそうになる。
可愛いんだけど、こんなふにゃふにゃしてる主の扱い方なんて僕は知らないしこういうときこそ薬研くんとか乱ちゃんを呼べば……
「……ご、めんなさい…」
燭台切「ん…?」
「困らせて……ごめん、ね。燭台切様……ごめんなさい」
……仕方ないか。