第47章 怒られた
「でも二人きりになることはたぶんありませんよ。あの子、結構警戒心とか強い方ですし」
宗三「そうですね。あなたと違ってうちのお小夜は賢いので」
なんだか、ばかにされている気がするが気にしない。
気にしてはいけない、これも宗三さんと仲良くなるための修行だ。
嫌味とか悪口は愛情の裏返しだと思えば痛くも痒くも……
「でもーそんな小夜ちゃんが私に懐いてくれてるってすごいことですよねー?賢くていい子なご自慢のお小夜ちゃんは私に、懐いて、くれてるんですよねー?」
お口で私をいじめるのなら、私も口で戦うのが礼儀だ。
大事で大好きな小夜ちゃんが私に懐いている事実を受け止めて悔しがるくらいすれば、少しくらいはその毒のある口を閉ざしてくれるだろう。
宗三「……主」
ニコッと美しい笑みを浮かべる宗三さん。
ご近所の優しいお姉様って感じがして、少しいやらしいな。
「はい、なんでしょう」
宗三「えぐりますよ」
………!?
「え、えっ!な、なにっ…何抉るんですか!?」
宗三「疲れてきたことですし早く帰りますよ」
「あ、あのごめんなさい!謝りますからえぐるとかやめてくださいっ!あのー、聞いてますか宗三さん!」
何をえぐられるのかわからないが、当分は気をつけておこうかな……ほんと、どこをえぐられるのだろうか。