第37章 大丈夫と思ってた ☆
山姥切「……目を負傷したのか」
「ある意味負傷したようなものではある」
襖が開いたことにすぐさま目元を手で覆ったことで大事には、ならない気が……する。
私自身、私の目とか見たら危険なんだろうな、なんか甘い匂いしてるんだろうなっと曖昧なことしかわかってないが多分これでいいはずだ。
匂いはどうしようもできなくても目くらいなら隠せる。
うん、これでよし。
山姥切「っ……」
「あ、あのまんばちゃん。もしかして体調が悪くなったり……」
山姥切「……なんともない」
なにも見えないのでまんばちゃんの様子を見ることもできないが大丈夫ではないだろう。
今の私の発情……いや、他に言い方あるなら他の言い方をしたいが、とりあえず発情しても今回は今すぐどうにかしなきゃって感じではないのでわりと冷静でいられた。
毎日食べていた飴玉のおかげかはわからないが多少でも自我を保てるほどのものに安定しているなら安心だ。
例えるなら発情した時の私は飢餓状態の私で今の私は軽食を口にして、物足りなさはあれど空腹ではない。そんな感じだ。
だからまんばちゃんがなんともなければ飴玉のおかげだということになり、いつかはこの体質もなくなる可能性が見えてきたというわけで私は嬉しかったりする。
山姥切「……」
「……」
山姥切「……」
なぜ、沈黙が続くのだろうか。
元々お互いによく話す方ではないが、まんばちゃんが立ち去らずに立っているのも疑問に感じてしまう。
何も見えなくても気配くらいは感じられるようになったので多分立っているんだろうなっていうのはわかるんだけど……何してるかわからない人のそばで何も見えないとなるとイケないことをしているような気分になるからちょっと怖い。
でも、今回は私も飢えた獣でもないから大丈夫だ。変な気分にはなって、ない!