第36章 距離感
鯰尾「恋バナしてるんですか?」
余計な鯰まで現れた。
鯰尾は可愛い方ではあるのだが発言が危ないのだ。
結構ギリギリなことばかり言ってるし……それよりも肩に手を置いて体重をかけないでほしい!立てない、立てないんだってば!
「な、鯰尾……私、ちょっと用事が……」
鯰尾「やっぱり主さんと石切丸さんってデキてたんですね!」
いや、人の話を聞け。
堀川「わりとあからさまだったもんね」
鯰尾「ねー!」
仲良さげに笑う二人に可愛いな、と思ってしまう。
鯰尾の顔見えないけど。
動くことができないなら、ここで落ち着くしかない。
そんなことをしてもあまり意味がなかったりするが今の段階でなら気持ちを落ち着かせることでそういう気分になることは防げる。
目を閉じて深呼吸を繰り返す。
鼓動の早さが普通に戻るまで周りの声に耳を傾けなければ……
鯰尾「この小さい身体で石切丸さんの魔羅が入るとかすごいですね!」
和泉守「っ!」
堀川「か、兼さん!」
「な、ななっ!」
鯰尾のとんでも発言に兼さんはお茶を噴き出して、私は落ち着くどころではなかった。
一気に熱が上がるのを感じるとプツン、と何かが切れたように視界が歪む。
「ッ……部屋戻る……」
鯰尾「それなら送りま……っ」
厚意から言ってくれているのだろうが、今はよくない。
鯰尾は私の体質にあてられたのか顔が赤くなっていた。
ほとんどの刀剣男士が部屋から出ていたこともあって被害は少なくて済みそうではあるが数名の人たちには心の中で謝るしかない。
石切丸「……仕方ないね。私が部屋まで送るよ」
「結構ッ……です。お薬飲んで寝てますッ……」
この状態でついてこられるのは非常によくない。
ましてや石切丸さんなんて警戒レベルマックスの人に頼めるわけがなく自力で立ち上がると私はすぐにその場から離れた。