第12章 惑わせ
「あーとは、寝るだけ」
スマホのことは明日にしよう。
もう歌仙さん達がいる部屋わからないし、自分の部屋を探さないと廊下で寝ることになる。
霊力もこつこつと溜まってきてるからどこかで倒れる心配も今のところはないし、平和だ……。
そういえば長谷部と会ってないな。
最後にあったの……忘れたけど、どこかで元気にしているといいな。
長谷部にはたくさんお世話になったし、私がそばにいない時くらいは自分の好きなことをして好きなように過ごしてもらいたいし無理しておやすみの挨拶はしなくていいかな。
疲れているところに私が姿を見せたらより疲れることになりそうだし。
「そういえば、何か……頭を抱えるほど悩むことがあったような……夜で、寝る前……ふむ、うわッ……たた、すいません前見てなく、て……?」
長谷部のことは今日はもう会わないと決めて、何か忘れているようなと顎に手を当てて考えてみるが、何かもやもやとしたものをもう少しで思い出せそうというときに誰かにぶつかった。
い、痛い……。