第3章 崩壊。
そのまま私達は解散し、
私も家に帰ることにした。
自転車を押しながらトボトボと歩いてアパートの裏の駐輪場へ向かった。
自転車を止めて、私はアパートの入り口の方へと歩いて行った。
アパートの階段を上がると
心臓が止まるくらい跳ね上がった。
足が動かなくなり、
変な汗が吹き出た。
「やぁ、おかえり。」
そこには慶介が居た。
「た…だいま。」
私がそういうと慶介は笑顔で私に近づいてきた。
そして私の腕をつかんだ。
「どうしてそんな怯えた顔するの?結衣」
慶介は私の顔を覗き込んだ。
「…そんな…顔…してないよ?」
私は必死に作り笑顔をした。
でも、なんだか怖くてたまらなかった。
慶介はいつも通りだった。
その優しい笑顔がすごく怖かった。
「そっか。少し話したいことがあるんだけど、部屋入れてくれる?」
慶介は相変わらず笑顔で私を見た。
私は言われるがまま鍵をあけ、
慶介を部屋へと入れた。