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第1章 寂
「雨、降りそうだね。大丈夫?」
散々自分が飲んだ後のコーラのペットボトルを
「飲む?」とでも言いたげに私に傾けて彼は言う。
それは雨が降り出す前にさっさと帰れ、と
そういうことなのだろうけれど、
「大丈夫」
彼の心の内には気づかなかったことにして、
もうしばらく居座ってやろうと
ペットボトルを受け取れば、
「…そう」と短く返事が聞こえて
そこから沈黙が続く。
(あぁ、またこれだ。)
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