第11章 合同練習とオレ
「おはよう、ございます!」
俺にまで無理して笑ってくれる。
そんな悲しい顔して笑うなよ。
こっちが泣きたくなる。
「ちゃんと寝れたか?」
ヒカリは視線を炊飯器に向け
コクリと頷く。
「……なら良かった」
「どうぞ……」
下を向いたまま
茶碗だけがこちらにくる。
「ありがと」
茶碗を受け取りトレーに乗せる。
普通に接しなきゃいけないのに
今までやってきた普通が
どうやっていたのか思い出せない。
俺は席につき
味のわからない飯を
ただ腹を満たすために飲み込んだ。
気のせいなのか
ご飯が少ししょっぱい気がした。