第11章 大好きがとまらない
「・・・・・・」
翌日。ここは、待ち合わせ場所の鮫柄学園の正門前。緊張していたからか、絶対遅刻しないようにと意識していたからか、待ち合わせの30分も前に着いてしまった私。横を通って行く鮫柄の生徒達の視線が痛い。
(ちょっと・・・かなり早く着きすぎたかもしれない・・・)
15分ほど時間が経ったけど、それでもまだ待ち合わせの15分前だ。まだ15分前という気持ちと、もう15分しかないという気持ちが私の中で混ざり合っている。早く宗介さんに会いたいような、でも会ったらドキドキしてどうしていいのかわからなくなってしまうような・・・
案の定、昨日の夜はほとんど眠れなかった。
でももう部活を疎かにするのは嫌だったから、午前中は気合いを入れて頑張って・・・渚先輩がヒカリちゃんは午後から予定あるの?なんて聞くから『家族で出かけます』なんて嘘をとっさについてしまって・・・家に帰ってからはああでもない、こうでもないと服を何回も取り替えて・・・宗介さんのタオルを綺麗な袋に入れて、そして・・・・・・
(き、昨日電話した時よりも緊張する・・・)
多分まだ時間はほとんど経ってないはず。でも確認せずにはいられなくて、私は携帯をバッグから取り出した。その時だった。