第5章 人生最大のピンチです
どうしていいかわからない私をよそに、凛さんと江先輩はどんどん話を進めている。
・・・凛さん、凛さん、待って下さい。なんで凛さんが江先輩と座るんですか?!そんなことしたら私は・・・
「え、いや、凛さん、ちょ、ちょっと待ってくださ「だってよ、宗介とはこんな狭いとこ二人で座れるわけねえし、何より気持ちわりぃし。んで、ヒカリはまだ知り合ったばっかだしな。ヒカリだって俺の隣じゃ気まずいだろ。となると江だろ」
「おお、なるほど。それもそうだね」
「おし、んじゃ座るぞ」
凛さん・・・理路整然と話しているように見せかけて、全く理路整然としてません!その考え、ものすっごい自分本位だということに気付いて下さい!!
「で、お前達の席は俺達の後ろだな。ほら宗介、チケット」
「おお」
「うわ、想像以上に狭いな・・・おい、江、んなくっつくなって」
「えへへ、いいじゃん。おにいちゃーん♪」
・・・うわー本当のカップルっぽーい。寧ろ美男美女だし、お似合いだー・・・・・・
「おい、そこ突っ立ってると邪魔だ。座んぞ」
「・・・は、はい・・・・・・」
私のことなんてお構いなしに、山崎宗介はどっかりとシートに腰を下ろしてしまった。
長島ヒカリ、これは人生最大のピンチかもしれない・・・