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弾けて壊れた私の話

第5章 失うものなど


「今日から史佳は準レギュラーと平部員のサポートに回ってもらうことになった」

 朝っぱらから跡部が言い出したことに、あたしは寝惚けていた頭がクリアになっていくのを感じた。

 慌ててコートを見回してみれば、確かに史佳ちゃんの姿はどこにもない。
 こいつ、事後報告しやがった…!

 癒しである史佳ちゃんの不在に不機嫌になるあたし。
 みんなも不満に思っているみたいだった。史佳ちゃんいい子だもんねぇ。

 跡部はそんなあたし達をどうでもよさそうに一瞥すると、説明を始めた。一瞥が余計。お前何様。

「下の方こそ質のいいサポートでレベルをあげるべきだと思ったからだ。俺らには夏川がいるしな」

 その言葉に視線があたしに集まる。
 な、なんか照れるなぁ。これって跡部もあたしのこと認めたってことだよね?
 よっし、エンディングに一歩近付いたね!
 むふふ、このままじわじわ落としてやりますとも。

「しばらくの間様子を見る。いい感じだったら、史佳は準レギュラーと平部員の世話に今後回ってもらい、俺らの世話は夏川に一任することになる。
 夏川、少し大変だとは思うが、できるな?」

 ちょっとだけ優しくなった跡部の声に、あたしは萌え転がりたいのを抑えつつ、にっこり笑って答えた。
 ここでの私は無害な天然ちゃんです。

「もちろん!史佳ちゃんに比べれば役不足かもしれないけど、精一杯サポートさせてもらいますね」

 言っちゃなんだけど、可愛い妹ってポジションで跡部攻略には正直邪魔だった史佳ちゃんがいなくなるってことにあたしは喜びを抑え切れなかった。
 これで晴れて、レギュラーはあたしのハーレムってわけね、分かります。
 跡部ありがとう。これであたしの萌えライフは安泰です。

 そして解散となり、各自が準備運動とかを始める中、跡部があたしを手招きした。
 そのまま部室に連れて行かれる。
 何々? 愛の告白? デレタイム?
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