第9章 9
「本当ですか?私だけ
私だけ幸せだったらか、和さんといるの、ひっく、。和さん疲れちゃう、」
涙が出て上手く話せなくて
でも言いたいことは伝わったみたいで
和さんは少し困り顔で目を細めた
「大丈夫。そんなの考えなくていーから。俺は由梨といれたら。それだけで充分なのよ」
「私も………でも、、未来を考えなきゃって。和さんと私の。
調べたんです
子供のこと
まだわからないけど
一度ダメだったから
もし和さんがそれを望むなら
私ではない人じゃないと叶えられないかもしれない」
口から出てくるものは
するすると
悲しみとともにこぼれ落ちる
和さんは
本当に幸せですか?
「今私も幸せで
胸がいっぱいです。
でも、
この先も
和さんは幸せなのかなって
考えてしまって
私の幸せは和さんにたくさんもらって
もう一生分
でも私といる事で和さんが幸せで居られなくなるなら
さようならって。
しないといけないのに。
好きなんです
愛してます。
ごめんなさい」
止まらない涙を
和さんは只々見つめていて
その表情はいつも通り読めなくて
「和さん、健康的な方と再婚された「ダメ」……へ?」
いつに無く低い声で思わず身体ビクッとしてしまう
「あ、ごめん。」
初めて聞いた低い声は怒りが込められている気がして
「……怖がらないで。……でも今ちょっと怒りが抑えられなさそう。タバコもう一本吸ってい?」
心臓がバクバクする
怖がらないで
怖いわけじゃない
でも低い声は
トラウマかのようにヒロトがフラッシュバックして
違う
この人は
和さん
私の大切な
旦那様
fin