第9章 9
本当に幸せ?
「……………
幸せですよ?」
ちょっとだけチクッとなる心
でも
本当に幸せなんです
「フフッ。……素直に言ってる?それか、またひとの事ばっかり?」
「…どうして」
わかってしまうの?
「なんとなく、ね。でもいつもよりちょっと難しいかも」
フフッ。と笑ってそう言って抱きしめる力を弱めて目に溜まっていた涙を拭い取ってくれた
「いーのよ。もう由梨に何言われたって。ちゃんと全部受け止めれると思うよ」
絶対
とは言わない和さんになんだか
和さんらしさを感じて
「でも、私が受け止めれるかわからないです」
「あ、そういう話なの?」
少し考えた後また、フッ。と笑う和さん
「そしたら半分くらいでいんじゃない?」
「え?」
「いつもそうだけど。俺たちのペースで解決すれば良いでしょ?だからとりあえず半分だけ受け止めるからさ。由梨と半分ずつね」
それで?と続ける和さん
「和さんは
今幸せですか?」
不思議そうな顔をしたあと
ちょっとニヤッとする和さん
「幸せ、ね
そうね」
曖昧な返事
ちょっと落ち込んでしまう
「クフフっ。ごめん。…幸せじゃなさそうに見える?」
「それは………和さん上手だから」
「ん?」
「見せ方が上手です」
和さんの胸の内はもしかしたら違うかもしれない
いつも優しく笑ってくれる和さんにそう考え始めたのはほんの最近だけど
「意地悪しすぎたかな……由梨が見てる全てが俺だよ
由梨といられて幸せだよ」