第7章 7
空さんのドラマが終わった頃に一本の連絡があり、私達夫婦はちょっと高級そうなおしゃれなバーに向かっていた
「なんか緊張しちゃいます」
「え、なんで?」
そうやって聞いて来る和さんはいつも通りで
「だって、こういった場で和さんにエスコートされるの。初めてだから」
今日はあいとあいの旦那様の結婚パーティーで
忙しい2人は式ではなく、ホテルのバーを貸し切ってお披露目するみたい
私達夫婦はそれに誘われたのだけど
和さんはスーツで私はパーティードレス
まだ出会って間もない時にそういった場で一緒にいた事はあるけれど
今回みたいに最初から一緒にいてエスコートされるのは初めてだった
「私、また何かやらかしそうです。下着とか透けてないですよね?」
本日何度目かわからないこの確認を和さんは、ンフフ。と笑うだけでタクシーの窓に映る外の流れる景色を見ていた
ホテルの前に着くと先に降りて手を差し伸べてくれるのでそっとその手を取った
「フフッ。だーいじょーぶよ。そんなかしこまる感じでもないでしょ。あの2人に」
握られてる手を指でさわさわされる
なんだかそれが一瞬の緊張をほぐしてくれた
「ありがとうございます。……なんだか素敵な格好の和さんにもちょっと緊張しちゃってました」
腕に手を添えて歩きながらそう言うと
「あら、嬉しいこと言ってくれる。」
フフッ。と笑いながらエレベーターでバーに向かった
そして、パーティー会場に到着してあいを探すと
後ろから突然飛びつかれた
「ひゃっ!!」
「由梨ー!!久々!会いたかった!」
「二宮さん今日はありがとうございます」
旦那様に挨拶される和さん
私を抱きしめながらぴょんぴょん飛んでるあい
「いーえ。…フフッ。あいちゃん、由梨クラクラしてるから離したげて?」
頭がガクガクしてフラッとしたところを和さんに支えられた
「ありがとうございます。」
再度、いーえ。と言って旦那様になる仲良しのスタッフさんと話し始める和さん