第18章 18
腹減ったな
ルームサービスを適当に頼みソファでゲームをしてると
「和さん」
「あら。起きた?今ルームサービス頼んだよ」
隣にぴったりくっついて座る由梨に、腹減った?と聞くと、はい。と返事が返って来た
酒もそこそこに
ふと隣にいる由梨を見つめると
相変わらずボーっとしてて
「あれ?眠い?」
「へ?…フフッ。いえ。幸せだなって」
「…そう」
八の字眉にして言うことじゃないのよ
「俺もだよ。……由梨の考えてる事は大体予想はつくけど
そんな事考えなくていいからね」
少しだけ目を見開いて
すぐに困った様に微笑む由梨
きっと
俺以上に俺の事を考えてくれてるから
そんな顔すんだよね
それは俺にとったらすごく幸せな事なんだけどね
でも
もう少し我儘だって
甘えたって良いんだけど
由梨って気遣いの塊だから難しいでしょーね
「ンフフ。ねぇ、由梨?いっこ提案があるんだけど」
「提案?」
首を傾げてこっちを見る由梨はいつも通りで
もしこれを言ったらどんな新しい顔をしてくれるかなって想像して頬が緩む
「ちょっとゲームでもしようかなって」
「へ?ゲーム?」
ちょっと困る由梨にフフッ。と笑う
「大丈夫。ちゃんと手加減するから…そうだな。由梨が勝ったら今俺がなに考えてるか言うから。逆もね?俺が勝ったら」
「私が今思ってる事言うんですか?」
「そゆこと」
難しそうな顔をする由梨
「クフフっ。だからちゃんと手加減するって」
「和さんに手加減された事ないです」
たしかに
ゲームを何回か一緒にしたことあるけど
由梨の操作はゆりのオフ姿そのもので
おっちょこちょいが炸裂してしまう
手加減仕様がない
「でも、頑張ってみます」
「あら、やる気?」
「だって。聞いてみたいですもん」
なんのゲームにしようかな。とおこもりステイ特典のテレビゲームを見ながらちょっとわくわくしてる由梨に目を細めた
fin