第18章 18
「ねぇ。ニノちゃん。…今度由梨とにのちゃんの2人の予定があった時、ちょっと食事しない?私がセッティングするから」
ヘアメイク中に楓ちゃんにそんな事を言われて
「え、いいですけど」
「なんでびっくりしてんのよ」
「いや、だって。いつもならもうちょっと」
行くわよー!
由梨と飲ませなさい!
とか
ニノちゃんいらないから由梨だけ貸して
とか
俺には全く眼中にない楓ちゃんが
なんて言ってもその後が想像できるのでそれ以上の言葉は飲み込んだ
その日の晩酌中由梨にその話をしたらすごく嬉しそうで
「楽しみです。最近たいちゃんも来ないし久々ですね外でご飯」
秋ちゃんは多分今[放浪中]
その放浪が落ち着く場所になればいいんだけど
毎度同じ事をなんとなく思って
またいつのまにか戻ってくる
そういや悠のアシスタント卒業飲み会以来2人で外食してないなと思い出した
「あれ、悠と飯食ったのいつだったけ?あれが最後だったよね?」
「はい。……いつでしたっけ?3ヶ月?くらい前かもです」
カレンダーを見てうーん。と考える由梨
「そっか。そんな経ったか」
あの海での一件も一年は経ってて
「本当、あっという間に毎年終わる」
「ほんとですね」
「年末は考えたくないけど」
お互いの仕事上
世の中の一般職の人達が休んでる間は働き期で
「はい…ライブであちこち走り回ります」
八の字眉をして笑う由梨にその時を想像して同じ様な顔をしてしまう