第17章 17
「ご飯どうする?」
「あ、ストックのつまみもうないかもです」
このところ忙しさにかまけて全然そういった家事をしてなかった
「冷蔵庫の中身が怖いです」
冷蔵庫の手前にあるペットボトルしかこの頃動かしてなかったので奥に化石とか眠ってないかドキドキする
「あー。それは大丈夫よ。秋ちゃんと俺で片付いてるから…由梨のつまみストックはもうないけど」
そうだった
和さんも一人暮らし歴が長いし私だけ家をあけたりしても難なくこなせる人で
それよりも料理スキルが遥かに高いたいちゃんが常駐してる今、二宮家の冷蔵庫は常に綺麗が保たれてる
「さすがです。ていうかやっぱりたいちゃんいたんですね。2人がいないなら家に大人しくいるって言ってだけど」
「途中から引き込んだのよ」
ンフフ。て笑いながらそう言う和さん
すれ違い中もそれなりに生活してたみたいで安心する
「そしたら今日はスーパーに寄っていきませんか?またストックためなきゃ」
「いーのよ。疲れてるでしょ?」
絶対和さんの方が疲れてるはずなのに私に気をつかう和さんに暖かい気持ちになる
「お家でゆっくりお酒飲みませんか?久々に」
「……あら。最高なお誘いだな」
含み笑いをする和さんに、お誘いに乗って下さい。と笑い返した
スーパーでカートを押しながら物色してると
ひょこひょこ背後についてくる和さん
時々欲しいものを入れたりして
なんだかこういうのも久々だなって嬉しくなる
「たいちゃん今日来ますかね?」
家に帰り気配がないので和さんに聞いてみると、今日は夜中まで撮影って言ってたから。と夜ご飯はいらない情報を得る
いつも通りにストックおつまみシリーズとか色々作ってると
「お風呂沸いたよー」
「はい。あとちょっとで終わります」
バスルームから声をかけられたのでそう返すと
「先入って待ってるね」
返事をする前にぱたんと扉が閉まる音がして
今日
お風呂一緒なんだ
ちょっと恥ずかしいのと
嬉しい気持ちに動かす手が速くなった