第13章 13
たいちゃんが作ってくれた魚料理は絶品で
和さんリクエストのハイボールがよく進んだ
「たいちゃんありがとう。すごく美味しかったよ」
後片付けをしながらそう言うと
「まーた。付いてる」
隣で酒片手に親指で頬についてたらしい泡をとってくれた和さん
「あ、……ありがとうございます」
笑いながら視線を和さんに向けると
「ひゃっ!」
お皿からちょっと水が飛んできてびっくりした
「あーあ……フフッ。びしょびしょは免れたね」
咄嗟に和さんが引き寄せてくれて床が濡れただけですんだ
「俺が拭くから。あと残りもやるから2人は座ってなよ」
抱きしめられてる私の頭の上に手をポンと乗せたのはたいちゃんで
「でも作ってくれたから片付けくらい」
「なんか今日嫌な予感すっから。あともう少しでしょ?ここまでやってくれたから後はやらせてね」
ふきんで手際よく拭いて和さんと私をぐいぐい押してキッチンから追いやるたいちゃんに和さんが、フフフッ。と笑う
「食器が心配だってさ」
「あ、そういうことですね」
私のやらかしレーダーが高かったのか今日は家事をするなってことみたい
「二宮家の皿を守る救世主だから」
「フフッ。秋ちゃんありがとね。」
「たいちゃんありがとう」
「いーえ」
ソファに腰掛けると和さんが持ってたハイボールを差し出してくる
「もう飲めないから飲んで?」
「え、いいんですか?」
「うん。ちょっと飲み過ぎた」
確かに
今日は飲むスピードが早かったなと思い返す
和さんはその場で、ちょっとだけ。と言って丸くなって目を閉じるので近くにあったたいちゃんがいつも使ってる毛布をかけてあげた
「枕になりましょうか?」
膝をぽんぽんと叩きながら言うともぞもぞ動いて膝の上に頭を乗せるので優しく髪を撫でる
「あ、それ気持ちいいからやっててー。…30分経ったら起こして?」
「フフッ。はい。わかりました」
そのまますぐに寝息を立て始める和さん
ちょっと疲れてたかな?
今日の仕事内容が運動系だったから
流石に疲れたみたい