第12章 12
嫌がらないで入ってくれるようになって
2人で浴槽に浸かる
背後から抱きしめる事も大丈夫になった由梨はゆっくり体重を預けてくれて
「なんかさ、今日秋ちゃんテンション高いよね」
「フフッ。確かに。寂しかったのかな」
なんか嬉しそうにする由梨
「それは由梨もじゃない?」
「へ?」
「賑やかしは居た方がやっぱりいいよね」
突然クスクス笑い出す由梨
「なによ」
「和さんもですよね?…なんかやっぱりちょっと似てますよね、寂しくなるところ」
そんな事言われてちょっと吹き出してしまう
「そうね。そういうのから始まったところあるしね」
何年も前のことを思い出しながらそう言うと由梨も似たような事を考えてたのか嬉しそうに笑った
「フフッ。私はあの時和さんがいつのまにか家に居て。でも全然嫌じゃなくて。ずっと嬉しかったですよ」
「そう?、ンフフ。由梨の前の家も良かったよね。居心地良かった」
「ありがとうございます。今のこの家も私はもう居心地いいですよ」
そうね
でもそれは
「由梨がいるからね」
ちょっと抱きしめる力を強くする
「え?…私は和さんが居るからです」
ちょっとこっちを向いてキスしてくるから
「フフッ。だから住み着いちゃうのよ。人間も」
「たいちゃんをちゃんと人間って認識してたんですね」
「そーね。美味しいご飯作ってくれる気がきく良い後輩よね。時々うるさいけど。あとはね…ちゃんと二宮家の大事にしないといけない事わかってるからね。あの人は」
首を傾げて何のことかわかってない由梨にこっちからもキスする
「んっ、、、はぁ」
「だーめ。声出したらバレちゃうよ?」
ニヤッと笑って言うと
困った顔をする
「頑張ります」
「あ、頑張ってくれちゃうんだ」
手を絡ませて擦り寄ってくる由梨をまた背後から優しく抱き寄せた
二宮家の1番大事にしないといけない事
それはね?
fin