第4章 選別試験
クジ引きを行い、相手が決まった。
一見すると、平等な様に見えるが、実は結構不平等だったりする。
普通の子と戦ったら、余裕で受かる様な子が、強過ぎる奴と当たって落ちる、そういうことが起こりうるからだ。
でも、運も戦場では必要…。
その子達は諦めるしか無いだろう。
年に3回行われる養成所の試験を受験することが出来るのは、12歳の子のみ。
それ以上でもそれ以下でもいけない。
養成所を無事卒業すると、正規軍に入ることが出来る。
正規軍は、国属軍とは違い、戦場で戦うのみ。
国属軍は、諜報活動なども行う。
敵国の様子によって、形を変えて戦う為、歳がバラバラだと困る事も多々あるのだ。
だから、チャンスは一度きり。
逃した者は、二度と正規軍に入ることは出来なくなる。
しかし、国属軍や正規軍とはまた別に、端軍(たんぐん)というものがある。
端軍とは、戦場で雑務を行ったり、地雷除去などを行ったりする。
まあ、余り名誉なものでは無いが、給料はそこそこのようだ。
端軍の養成所ならば、沢山あるし、いくつでも入ることが出来る。
ただ、そこそこ力があって正規軍の養成所を受験した子は、プライドがそれを許さないだろう。
そうなれば、もうその子は、家業を継ぐしかない。
よく出来たシステム程、残酷だったりするのだ…。